こんなサインでてませんか?もしかして「ストレス」??
臨床心理室
若葉が芽吹く季節となりました。当院では、4月に新たな職員を迎え新年度がスタートしました。入学や職、人事異動、引っ越しなど変化の多い時期になると、新たな出会いに対する期待や希望を持つ反面「ストレス」を感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ストレスとは
「ストレス」という言葉を、テレビやラジオ、雑誌などで一度は耳にしたことがある方は多いかと思い
ます。皆さんはストレスに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
ストレスという言葉はもともと物理学の分野で使われており、物体の外側からの圧力によって歪み
が生じた状態のことをいいます。例えば、風船を指で押さえると風船が歪んでしまうように、医学・心
理学分野によるストレスとは、外部からさまざまな刺激を受けることで、個々に心身の変化(歪み)が
生じている状態と言われています。
ストレスの原因
私たちは気付かないうちにさまざまな外部刺激を受け、それに適応しようと努力しています。ストレスを引き起こす可能性がある出来事は、以下のように大きく2つに分けることができます。
何か大きな変化が生じた時 | 日常生活の中で 繰り返し経験する出来事 |
---|---|
大きな災害、家族との死別、 けがや病気、転職・退職 など |
勉強や仕事の負担、人間関係、 生活空間の騒音、電車の混雑 など |
ストレスというと否定的なイメージを抱きますが、必ずしも悪い側面だけではありません。心身ともに健康な時であれば、程よい刺激や変化はやる気や生活の張りとなります。しかし、心身が疲弊している時に強い刺激を受けたり、衝撃的な出来事を体験したりすると、上手く適応できずにさまざまな影響が現れることがあります。
ストレスのサイン
いつのまにか体験しているストレスにどのように気付いたらよいでしょうか。ストレスは、こころやからだの状態、行動の変化として、さまざまなサインを出してくれます。
こころの状態 | からだの状態 | 行動の変化 |
---|---|---|
不安・悲しみ、イライラ感、 活気の低下、抑うつ感 など |
頭痛、めまい、肩こり、 食欲低下、耳鳴り など |
集中力低下、不眠、 飲酒や喫煙増加 など |
これらの状態や行動の全てがストレスのサインとは言えませんが、慢性的にならないよう早めに気付くことが大切です。どのような時にどんな気持ちが出やすいか、今サインは出ているかなど、ちょっと自分のこころとからだに目を向けてみることから始めてみてはいかがでしょうか。日常生活で気がかりな症状が持続する時には、かかりつけ医にまずは相談をしてみましょう。
ストレス解消法
ストレスを解消するために「積極的にストレスの原因を調べて、問題を解決したい」という気持ちが、一番に頭に浮かぶ方もいらっしゃるのではないかと思います。ストレス解消法は1つではありません。時と場合によって使いわけることができるよう、さまざまな解消法を準備しておくことをお勧めしています。いくつかの例を紹介します。自分に合った解消法を見つけてみましょう。
積極的に原因を調べて問題解決する | |
これも良い経験だと視点を変えてみる | |
落ち着ける場で心身ともにリラックスする時間を持つ | |
好きな活動で気分を発散する | |
問題と距離をおきあまり深く考えない | |
人と話をする相談して助けてもらう |
私たち、臨床心理士/公認心理師は「人と話をする」という解消法を日頃から活用しています。人と話をすることが苦手な方もいらっしゃると思いますが、感情を表現することにより気分転換になる、自分の感情や考えを整理できる、相手に自分を理解してもらえる等、メリットがたくさんあります。「相談」というと意気込んでしまったり、敷居が高いイメージを持たれるかもしれませんが「人と話をする」ことは、皆さんが自然と行なっていることです。まずは信頼のできる身近な方に日常を話すことから始めてみませんか。
この記事は2020年5月現在のものです。