患者の権利・義務憲章・倫理方針
筑後市立病院では、医療とは患者さんと医療提供者とが互いの信頼関係に基づき、協働してつくり上げていくべきものであると考えています。
また、「生涯研修・生涯奉仕」の理念のもとに良質で安全な医療を提供し、信頼され安心して受診できる筑後市立病院を目指しております。
これらの実現のために患者さんの基本的な権利を明確にし、これを尊重すると同時に、患者さんに守っていただきたい義務についても定め、ここに「患者の権利・義務憲章」として制定します。
『患者さんの権利』
医療は、患者さんと医療提供者との信頼関係の上に成り立つもので、その中心はあくまでも患者さんであり、従って、患者さんには、次のような権利があります。
- 平等かつ公平に医療を受ける権利
疾病の種類、社会的立場、性的志向や性自認などに関わらず、すべての人には良質な医療を平等かつ公平に受ける権利があります。
※ 患者さんが希望すれば、戸籍上の婚姻関係にない事実婚や同性カップル等の配偶者等であっても、入院中の面会や手術や医療方針の決定に立ち会うことなどが可能です。 - 個人として尊重される権利
個人としてその価値観を尊重され、一人の人間として尊厳をもって接遇されるとともに、自らの意見を述べる権利があります。 - 十分な説明と情報提供を受ける権利
病気、検査、治療、危険性、他の治療方法や見通しなどについて、理解しやすい言葉や方法で、十分な説明と情報の提供を受ける権利があります。
また、医療費や公的支援制度などについての説明を受ける権利もあります。 - 自らの意思で選択・決定する権利
自らの受ける検査や治療方法などについて、説明を受けた上で、自分の意思で選び決定する権利があり、一方で、希望しない医療を拒否したり、医療機関を選択したりする権利があります。そのために、カルテを含む診療情報の開示やセカンド・オピニオンを求めることができます。 - 自分の情報を承諾なくして第三者に開示されない権利(プライバシー保護)
自身の身体や病気をはじめとするすべての個人情報及びプライバシーを守られる権利があります。
『患者さんの義務』
医療は、協働作業であり、患者さんの主体的な参加の上に成り立つものであるため、患者さんには、次のような義務があります。
- 正確な情報を提供するとともに、疾病や医療を十分理解するよう努力する義務
医師をはじめとする医療提供者に、自らの心身あるいは生活について必要な情報をできるだけ正確に知らせるとともに、納得できるまで質問するなどして自らの疾病や医療について十分理解するよう努力する義務があります。
- 医療に積極的に取り組む義務
検査や治療について、納得し合意した方針には意欲を持って取り組む義務があります。
- 快適な医療環境づくりに協力する義務
すべての患者さんが快適な環境で医療が受けられるよう、病院内での規則と病院職員の指示を守る義務があります。他の患者さんの治療に支障を与えないように配慮していただく責務があります。
また、社会的なルールを尊重し、他の患者さんのプライバシーなどの権利に配慮することや、医療費を適正にお支払いいただくことも要求されます。
(注) 用語解説「セカンド・オピニオン」
診断や治療方法などについて、主治医以外の医師の意見を求めること。
『医療提供者の裁量権』
一方、医療提供者にも、裁量権という権利があります。この裁量権とは、医療提供者が現在考えられる安全な臨床医学の範囲を超える要求や、自らの良心や価値観に反する要求には応じられない権利のことをいいます。
より良き医療を行うために筑後市立病院職員は、患者さんとの心のつながりを大切にします。
以上
2022年4月改定
『子ども患者権利憲章』(こどもかんじゃけんりけんしょう)
あなたは、いつでもひとりの人間として大切にされ、あなたの成長や発達のこと(大人へと育っていくこと)をどのようなときにも一番に考えた医療(病気を治してもらうこと)を受けることができます。
病気を治すためには、あなたとあなたのご家族や病院の医師、看護師たちが、お互いに力を合わせていくことが大切です。
筑後市立病院は、このような考え方でつくった「子ども患者権利憲章」(あなたのために病院の人やあなたのご家族、そしてあなた自身も守らなければならない決まりごと)を守って、あなたを助けていきます。
- あなたは、どのような病気にかかったときでも、他の人と同じようによい医療を受けることができます。
- あなたは、どのようなときでも、ひとりの人間として大切にされ、病院の人たちやご家族と力を合わせながら医療を受けることができます。
- あなたは、病気のことや病気の治し方を、あなたがわかる言葉や絵などを使って、病院の人に教えてもらうことができます。
- あたたは、病気のことや病気の治し方について、十分な説明を受けたうえで、自分の考えや気持ちを病院の人やご家族に伝えることができます。
- あなたは、わからないことや不安なことがあるときはいつでも、ご家族や病院の人たちに聞いたり、話したりすることができます。
- あなたは、入院しているときでも、できるかぎりご家族と一緒に過ごすことができます。
- あなたは、入院していても、勉強したり、遊んだりすることができます。
- あなたは、病気の治し方や薬が効くかどうかなどの研究への協力を頼まれたときには、十分な説明を受けて、協力するかどうかを自分で決めることができます。やめたくなれば、いつでもそれをやめることができます。決めるときに、わからないことや不安なことがあればいつでも、ご家族や病院の人たちに聞いたり、話したりすることができます。
- あなたの病気がよくなるように、あなたの体や気持ちのことをできるだけ詳しく病院の人たちに伝えるようにしてください。
- あなたとみんなが気持ちよく過ごすために、病院の約束を守ってください。
(注)この権利章典は、筑後市立病院の患者の権利・義務憲章を基本に、小児医療の特性に配慮し、策定したものです。
以上
2022年4月制定
子ども患者権利憲章(読み仮名あり)はこちらから (347KB; PDFファイル)
倫理方針
1.職業倫理
筑後市立病院で働く医療従事者は、患者さんの権利を尊重した医療活動を行い、社会的・道徳的な信用を確保するために、専門家として自立的に、患者さん・ご家族にとって最も望ましく適切で十分な医療サ-ビスを提供できるよう努力する必要があり、人権の中で最も基本的な生命・健康の保持増進に寄与する責務を担っています。
基本方針
(1)医療者としての責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるよう努めます。
(2)医療水準の向上のため、自己研鑽に努めます。
(3)医療者として品位と信用を損なう行為、信義に反する行為をしません。
(4)医療者として相互の立場を尊重し、医療の質の向上に努めます。
(5)医療を通じて地域社会の発展に貢献し、関係法規を遵守します。
2.臨床倫理
基本的人権、リスボン宣言による患者の権利、医の倫理方針(別に定める)に基づき、患者さんの同意のもと、最良の医療を平等に提供することを目的とします。
基本方針
(1)患者さんの人格を尊重し、人権を守ります。
(2)患者さんの状況、信仰、意思等を十分に確認し、自己決定権を尊重します。
(3)患者さんに医療内容や必要な事項について、説明義務を果たします。
(4)患者さんの生活の質(QOL)を考慮し、できるだけ苦痛のない医療を提示し実行します。
(5)患者さんの個人情報の保護と守秘義務を徹底します。
(6)医療の倫理に関する問題は、医の倫理委員会で審議します。
2016年7月12日改編
医の倫理委員会
医の倫理方針はこちら (180KB; PDFファイル)
患者さんの個人情報の保護について
当院では、患者さんに安心して医療を受けていただくために、安全な医療をご提供するとともに、患者さんの個人情報の取り扱いにも、万全の体制で取り組んでいます。
詳しくは、患者さんの個人情報の保護についてをご覧ください。