メニュー

外来担当医表

子宮頸がん検診のオプション検査を受けて、自分の身体と命を守りましょう!!

産婦人科

 本邦では、半世紀以上前から世界に先駆けて子宮頸部細胞診のみによる子宮頸がん検診(細胞診単独検診)が始まりました。しかし、欧米では近年、この子宮頸部細胞診のみによる検診では進行子宮頸がんを含む約30%の病変が見逃されることがわかり、既に子宮頸部細胞診にハイリスクHPV検査を併用する精度の高い検診(HPV併用検診)が施行されています。このHPV併用検診は細胞診単独検診の見逃しを防止するばかりではなく、検診間隔を1年から3~5年に伸ばすことができることからくる経済性などの有益性も実証されています。一方、我が国においてはHPV併用検診の効果認証中ということで、ほとんど行なわれていないのが
現状です。わが国で行なわれている住民検診、事業所検診およびドッグ検診などで行なわれている子宮頸がん検診の約95%は細胞診単独検診です。もちろん、子宮体部病変(子宮体がんなど子宮体部腫瘍)や付属器病変(卵巣がん、卵管がんなどの付属器腫瘍)もチェックされていません。
私は聖マリア医学会において、HPV併用検診によって細胞診陰性(異常なし)から約3%の見逃しを回避できる可能性があり、細胞診陰性・ハイリスクHPV陽性で精密検査された人の中から約85%に前がん病変(軽度~中等度異形成)~手術の必要な初期がん(高度異形成~上皮内がん~微小浸潤がん)が認められました。また、HPV併用検診にコルポ診を併用することによって、更に約10%の見逃しを回避できる可能性があり、細胞診陰性・ハイリスクHPV陰性(HPV併用検診異常なし)・コルポ診のみ異常で精密検査された人のなかから約80%に前がん病変(軽度異形成)が認められたという結果を報告致しました。
がん検診の目的を考えてみると、「がんを早期発見・早期治療して死亡率を下げること」であることは当然のことです。婦人科領域においては、死亡率を低下させるばかりではなく、少子化が進むなかで「妊孕性(子供をつくる能力)温存、即ち子宮温存すること」も大きな目的の一つとされ、より早期に発見することが必要とされています。更には、受診者の95%以上の「異常なし」の人が「異常なし」とわかって「ほっ」と安心することも、忘れてはならない極めて重要な目的の一つであると考えます。そのためには、自分自身が自分の身体と命は自分で守るために、より見落としの少ない、より精度の高い検診を受ける必要があると思います。
当院では子宮頸部細胞診のみの子宮頸がん検診の見逃しを少なくし、より精度の高い検診とするための(1)ハリスクHPV検査(2)コルポ診、更に子宮体部病変や卵巣・卵管などの付属器病変をチェックするための(3)経膣エコー検査を婦人科オプションとして準備しています。割安のセットオプションもあります。(下記参照)
これらのオプション検査を受けて、自分自身で自分の身体と命は自分で守りましょう。


婦人科オプション検査の説明

オプション(1) コルポスコピー(コルポ診)

コルポスコープ画像この検査は子宮頸部細胞診のみの子宮頸がん検診(細胞診単独検診)およびハイリスクHPV検査併用する子宮頸がん検診(HPV併用検診)の見逃しを減らすことができます。
細胞診単独検診やHPV併用検診で見逃がされやすい病巣の小さい前がん病変~初期がん(軽度異形成~上皮内がんなど)を確認でき、一層見逃しを少なくします。
但し、初期の頸部腺がん確認は困難で、注意が必要です。
コルポスコープという拡大鏡を用いて、子宮頸がんの発生しやすい子宮の入り口を3%酢酸をつけて観察します。少し「しみる」ことがありますが、痛みも出血もありません。
本来は子宮頸部細胞診やハイリスクHPV検査が異常であった場合の精密検査で行なう検査です。
検診日の診察後に画像を見ながら説明しますので、受診者の95%以上の「異常なし」のひとは安心して帰れます。

オプション(2) ハイリスクHPV検査

細胞診+HPV検査の病変検出率グラフこの検査は子宮頸部細胞診にハイリスクHPV検査を併用する子宮頸がん検診(HPV併用検診)で、子宮頸部細胞診のみの子宮頸がん検診(細胞診単独検診)の見逃しを減らすことができます。
子宮頸部細胞診だけはで見逃しやすい子宮頸部腺がん、特に上皮内腺がん(初期の腺がん)の発見にも効果があるといわれています。しかし、特殊な胃型腺がんではHPV検査が陰性になることがあり、注意も必要です。
子宮頸がんの発生しやすい部分の細胞を採取し、子宮頚がんの原因である14種類のがん化しやすいヒトパピローマウィルスの感染の有無を調べる検査です。子宮頸部細胞診と同時に行なわれるので、身体に負担はかかりません。痛みや出血もほとんどありません。
結果は後日の報告となります。


オプション(3) 経膣エコー検査

経膣エコー検査機械画像子宮体がん検診および卵巣がん検診は確立されていませんが、子宮体部腫瘍(子宮筋腫や子宮腺筋症など)、子宮内膜腫瘍(子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症および子宮体がんなど)および良性・悪性の卵巣腫瘍などの子宮体部や卵巣の腫瘍をチェックします。婦人科領域では腹壁から行なう経腹エコーより精度が高い検査です。 
肥満などで、内診や経腹エコーで確認できない子宮筋腫や子宮腺筋症などの子宮腫瘍および卵巣腫瘍の確認が可能です。症状が出にくいと言われている卵巣腫瘍(含がん)も、症状が出る前に、小さい段階で確認できます。
子宮内膜の厚さや形状などをみることによって、子宮内膜増殖症や子宮体がんの疑いがあるか否かをチェックし、子宮内膜細胞診や子宮内膜組織診が必要かどうかを判定します。
この検査は直径1.5cmの経腟プローブを膣内に挿入する超音波検査です。性経験のない方でも経腟プローブを肛門から挿入する経直腸エコーが可能です。痛みはほとんどありません。
受診者の約90%以上の「異常なし」のひとは検診日の診察後に画像を見ながら説明しますので安心して帰れます。

婦人科オプション検査の料金と予約

婦人科オプション検査料金

婦人科がんの種類と部位

オプション検査を希望される方および問い合わせのある方は下記にご連絡してください。(原則予約制)

地方独立行政法人 筑後市立病院「医事情報課 健診係」

〒833-0041 福岡県筑後市大字和泉917番地1

TEL:0942-53-7511(代表)


この記事は2019年5月現在のものです。

このページのトップへ

地方独立行政法人 筑後市立病院

〒833-0041 福岡県筑後市大字和泉917-1

TEL 0942-53-7511

© 2016筑後市立病院. All Right Reserved.