お口のケアで食事をもっと美味しく!
診療技術部 リハビリテーション室
どうして口のケアが必要なの?
私たちの口の中には、300~700種類の細菌が生息しています。口の中の細菌数は、歯をよく磨く人の1000~2000億個に対して、あまり磨かない人では4000~6000億個になると言われています。ほとんど磨かない人では、1兆個もの細菌が口の中に存在しているのです。口の中をきれいにすることで、虫歯や歯周病予防に加えて食生活の改善にもなり、最終的には生活の質(QOL)の向上につながっていきます。
口内が汚れているとどうなる?
口の中を汚れたままにしておくと、細菌の温床となります。舌の表面が汚れていると、味覚が正常に働きにくくなるので、食事をしても美味しく感じにくくなってしまいます。すると、食事量が減って、体重減少につながり、体力や免疫力が低下します。さらに人生や物事においても消極的かつ悲観的な思考になりやすいので、閉じこもりがちな生活に近づきます。すると、人と話す機会が減少するので、更に口の機能が低下してしまい、口内の環境がますます不衛生になります。
口の中が汚れていると、このような悪循環に陥ってしまう可能性が誰にでもあるのです。
口内が清潔になると・・・
口腔ケアを行なうことは、虫歯・歯周病の予防だけではありません。食べ物や唾液が気管に入って起こる誤飲性肺炎の予防や口の中の乾燥を予防できます。また、歯でしっかり噛むことで、口腔内の機能を保つことができます。食べ物と唾液が混ざり、消化吸収がよくなり、体力向上や免疫力が向上します。栄養を得ることで、身体機能の回復や要介護状態の予防に繋がります。このように継続的な口腔ケアを行なうことで良い循環を保ち健康寿命を延ばしましょう。
ケアは簡単!基本は「歯みがき」です。
お口のケアには、歯みがきやうがい、粘膜や舌面の清掃がありますが、まずは歯ブラシによるブラッシングが基本です。残された歯を一本一本丁寧に、磨き残しのないよう鏡を見ながら磨きます。
歯みがきの手順
出典:pro.saraya.com
- 歯ならびがデコボコしているところは、歯ブラシをたてにして、1本1本みがく。
- 上の前歯の内側は、歯ブラシをたてにもちかえ、先端部の毛先を使う。
- 前歯の外側は、歯ブラシを横にして、歯ならびにあわせてみがく。
- 奥歯の一番うしろも忘れずに。歯ブラシの先端部の毛先をあててみがく。
- 下の奥歯の外側は、口を閉じかげんにして、歯ブラシを確実にあててみがく。
- 上の奥歯の外側は、口を閉じかげんにし、歯ブラシを横にして、歯ならびにあわせてみがく。
- 奥歯の内側は、口を大きく開いて、歯ブラシをななめに入れてみがく。
- 下の前歯の内側は、歯ブラシをたてにして、先端部の毛先を使う。
軽い力で!小刻みに!
入れ歯のお手入れもお忘れなく!
step1簡単磨き
1.流水下で、入れ歯についている食べかすやヌルヌルとした歯垢のかたまりなどを洗い流す。
2.汚れがある程度取り除けたら、入れ歯専用ブラシを使い、ヌルヌルがなくなるまで磨く。
※入れ歯は滑りやすいので、万が一落としてしまっても割れないように、入れ歯を手に持って磨く時は必ずお水を張った洗面器などを用意しましょう。
step2義歯洗浄剤
3.入れ歯の保管容器にお水と義歯洗浄剤を入れて、入れ歯を浸す。
step3念入り磨き
4.流水下で、入れ歯ブラシを使用して、入れ歯洗浄剤のお薬成分や、浮き上がったヌルヌルをしっかり磨いて洗う。
出典:kokucare.jp
お口のケアで毎日の食事を美味しく食べましょう
当院では口腔ケア指導や健康体操等の健康講座も開催しております。気になる事がありましたらいつでもお気軽にご相談ください。また、健康講座については、こちらをご覧ください。
この記事は2017年10月現在のものです。