がん化学療法について
以前はがん化学療法(抗がん剤によるがん治療)といえば入院して治療を行うことが一般的でしたが、新しい薬剤の開発や副作用の軽減などの医療の進歩によって、今では自宅で生活を送りながら安全にがん治療を受けることもできるようになりました。
がん化学(薬物)療法とは?
がん化学療法は、抗がん剤を中心とした薬剤の投与によって、がんが増えるのを抑え、成長を遅らせたり、転移や再発を防いだり、小さながんが転移しているかもしれない所を治療するために用いられる「全身療法」です。手術療法や放射線治療は、がんの局所的な治療であるのに対し、抗がん剤は、より広い範囲に治療の効果が及ぶことが期待できます。
抗がん剤 |
がん細胞を攻撃する薬剤ですが、がん細胞だけでなく正常細胞にも影響が出現します。 |
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ホルモン剤 |
乳がん、前立腺がんなど、ホルモンレセプター陽性のがんに対して用います。 |
分子標的治療薬 |
がん細胞が持っている特定の分子(遺伝子やタンパク質)に対して作用します。 ※よく耳にするニボルマブはここに分類されます。 |
副作用について
化学(薬物)療法を行なう上で切っても切り離せないのが副作用です。抗がん剤と聞くと、髪が抜け、吐き気が強いというイメージですが、最近では副作用のより少ない薬が開発され、外来で通院しながら治療を受けることが可能になっています。
がん化学療法でみられる主な副作用
過敏症、発熱、骨髄抑制、悪心・嘔吐、口内炎、下痢、便秘、脱毛、皮膚障害、倦怠感、など

副作用が心配だなぁ…。

患者さんが自分らしく生きるため、またスムーズな治療を支えるため、副作用対策を行なっています。不安があれば、医師や看護師にお気軽にお尋ねください。
当院の化学療法室
当院では2014年3月31日に外来化学療法室を開設し、様々ながんの患者さんが外来通院でがん化学療法を受けられています。
他院で手術を受けた後退院された患者さんで、化学療法は家の近くで受けたい、そんな方にもご利用いただいております。
化学療法室には、ベッド8床とリクライニングチェアが1台あります。テレビを観ながらリラックスして化学療法を受けることができます。
個人差がありますが、治療は1回で約1~6時間です。
当院でがん化学療法を行なっている疾患
胃がん 大腸がん 肺がん 前立腺がん 肝臓がん 乳がん すい臓・胆道がん 血液がん
がん化学療法看護認定看護師の紹介
抗がん剤(点滴・内服)治療に関して専門的知識と技術を有する看護師です。
近年、がん治療における化学療法は目覚ましい進歩を続けており、副作用もさまざまです。
抗がん剤治療を受ける患者さん・ご家族が自分らしい生活を大切にしながら治療を継続していくための看護を提供します。
友添 典子
この記事は2017年5月現在のものです。