BLSの重要性
人は誰にでも「急変」のリスクがあります。例えばあなたの家族や友人、隣にたまたま居合わせた人が突然倒 れた場合、どのように対応したらよいのでしょうか。そのような場合に必要なBLS(一次救命処置)について簡単にご紹介します。
BLS(Basic Life Support)とは
心停止または呼吸停止を起こした人に対して行なう一次救命処置のことです。一次救命処置とはAED(自動体外式除細動器)以外の特殊な医療器具(点滴セット・薬剤・心電図モニターなど)を使用しないで行なう救命処置です。一般的には病院の外で行なわれることがほとんどで、医療従事者でなくても行なえる救命処置です。具体的には心臓マッサージ(胸骨圧迫)と人工呼吸とAEDの使用を組み合わせて行なう、心拍再開に向けた一連の処置のことです。
心肺停止時に心臓マッサージと電気ショック(除細動)が1分遅れるごとに助かる確率は7~10%ずつ下がっていきます。そこで必要なのが質の高いBLSとAEDの操作です。心肺停止から1分以内の心臓マッサージとAEDが感知した電気ショックが行なわれた場合の社会復帰率は非常に高く、タレントの松村邦弘さんがマラソン中に倒れ、心臓マッサージとAEDで救命されたのは有名な話です。しかし、現在AEDが普及しているにも関わらず、心肺停止になった患者さんの社会復帰率は数%にすぎません。心肺停止から時間が経つにつれて助かる確率は低くなるため、救命で最も大切なのは、早期に質の高い心臓マッサージとAEDを開始することです。救急車が来るまで皆さんが行なう一次救命処置が、社会復帰の可能性を高めます。
お出かけの際はAEDがどこにあるか確認しておきましょう
この記事は2018年8月現在のものです。