日本医療機能評価機構認定病院地方独立行政法人筑後市立病院

本文へ移動

文字サイズ文字サイズを標準サイズにする文字サイズを拡大する

背景色標準に戻す青色に変更する黄色に変更する黒色に変更する

GoogleTranslate

電話番号0942-53-7511

交通アクセス

ホーム>当院について>広報誌 「いずみ」>病気のお話>知って安心!気管支喘息との上手なつきあい方

知って安心!気管支喘息との上手なつきあい方

呼吸器内科

はじめに

 季節の変わり目や朝晩の冷え込みで、咳や息苦しさを感じることはありませんか? それ
は「気管支喘息」のサインかもしれません。 喘息は子どもから大人まで発症する可能性があ
る身近な病気ですが、正しい知識と治療で日常生活を快適に過ごすことができます。

気管支喘息とは?

せき込む人のイラスト 気管支喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して過敏になっている状態です。 主な症状には、咳、息苦しさ、胸の圧迫感、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)などがあります。これらの症状は、夜間や早朝、運動後などに悪化しやすいのが特徴です。



原因と悪化のきっかけ

 喘息の原因や悪化のきっかけ(トリガー)には以下のようなものがあります。ハウスダストのイラスト
・ダニやハウスダスト、ペットの毛などのアレルゲン
・風邪やインフルエンザなどのウイルス感染

・タバコの煙や大気汚染(PM2.5、黄砂、排気ガスなど)
・運動、冷たい空気、ストレスなどこれらの要因を避けることで、症状の悪化を防ぐことができます。

 他に、鼻炎・副鼻腔炎、食物アレルギー、肥満、月経・妊娠などもリスク要因として報告があります。特に  

 NSAIDsと称される解熱鎮痛剤(ロキソニン®やイヴ®、バファリン®など)によって喘息発作を引き

 起こす事があります。そのような経験がある患者さんはお薬の選択に十分注意が必要です。


喘息の検査について

スパイロメトリー(呼吸機能検査)

検査のイラスト大きく息を吸ったり吐いたりすることにより肺の機能をみる検査です。スパイロメーターと呼ばれる機械に思い切り息を吹き込み、肺の容積や空気の通り道(気道)がどのくらい狭くなっているかを数値/グラフ化し評価します。気管支を拡げる薬剤を吸って、前後の検査でどのくらい数値が改善するか評価をすることもあります。


呼気中一酸化窒素(FeNO)測定

吐く息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定する検査です。気道にアレルギー性炎症があるとNOが多く作られるため、喘息の患者さんでは呼気中NO濃度が高くなります。

この検査により気道の炎症の程度を身体に負担をかけずに数値化でき、喘息の診断や治療効果の判定に役立ちます。アニメーションに合わせ息をゆっくり長く吐き出す検査です。ややコツが必要ですが痛みや力はほとんどいりません。
他には、胸部レントゲン検査やCT検査で肺や気道の状態を確認したり、必要に応じて血液中のIg E(アレルギーの値)や好酸球(アレルギーに関与する白血球)の数を測る検査なども行います。患者さんの症状・年齢や重症度に応じて適切な検査が選択されるので、不明な点は遠慮なく担当医に質問してみましょう。


治療の基本長期管理薬と増悪治療薬

長期管理薬

吸入薬を使う人のイラスト息の治療において最も効果的な薬剤はステロイドという抗炎症薬です。吸入や内服、点滴などの剤形がありますが、吸入薬が最も副作用が少なく、多くの患者さんに使用している剤形になります。現在は気管支拡張薬との合剤製剤もあり、症状にあった製剤を処方します。また、吸入器にもさまざまな種類があり、年齢や生活背景によって適切な製剤を選ぶ必要があります。
喘息のコントロールが不良の場合はステロイド内服や生物学的製剤を提案することもあります。

増悪治療薬


基本的には長期管理薬で喘息の発作を起こさないことが重要ですが、咳、息苦しさ、喘鳴などの症状が増悪する場合は、症状緩和のための治療が必要になります。短時間で作用する吸入薬(商品名:メプチン®・サルタノール®等)の投与や内服または点滴でのステロイド投与を行います。これらの治療でも症状が改善しない場合は入院での加療を推奨させていただくこともあります。重症の場合は人工呼吸器での管理が必要な場合もあります。


日常生活のポイント

喘息と上手につきあうためには日常生活での工夫が大切です。

吸入薬の正しい使用

吸入薬はただ吸うだけではなくタイミングや吸い方にコツがあります。医師や薬剤師の指導のもと正しい方

法で使用しましょう。

アレルゲン対策

部屋の掃除、気象情報や季節に応じたアレルゲンへの回避対策が重要です。禁煙はもちろん受動喫煙も避けましょう。

定期的な通院

症状が安定していても定期的に医師の診察を受けましょう。発作や症状がなくても基本的には薬剤の継続が望ましいことが多いです。随時、治療薬の強化や減薬を相談してください。定期的な通院によって早めの受診ができる体制や発作時の対処方法を確認しておくことで、仮に発作を起こしてもスムーズな対応が可能になります。

おわりに

 気管支喘息は、正しい知識と治療、日常生活での工夫によって、症状をコントロールしながら快適に過ごすことができます。 気になる症状がある方は、早めに医師にご相談ください。

  

                              この記事は2025年6月現在のものです。

地方独立行政法人 筑後市立病院

〒833-0041 福岡県筑後市大字和泉917-1

TEL 0942-53-7511

© 2016筑後市立病院. All Right Reserved.