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糖尿病を知ろう~合併症のはなし~

内分泌・代謝内科

糖尿病では血糖値が高くなるため、大小血管合併や や感染症など様々な病気を引き起こします。重症にな
る前に治療することが大事です。今回、腎症と神経障害について解説します。

腎臓の働きと腎症

人工透析の挿絵腎臓は血液を正常に維持するため不要なものを捨て必要なものを再度取り込みながら尿を作るところです。 糖尿病腎症は尿に蛋白が出るようになる合併症で、最初のうちは自覚症状がありませんが、尿蛋白が多くなると足がむくみやすくなります。もっと進行すると血液の中に老廃物が溜る状態、すなわち腎不全になります。そうなると人工腎臓を使った血液の透析を行なうか、腎移植を受ける必要があります。


うす味にしましょう

糖尿病腎症は、高血圧があるときにも起こりやすくなります。ですから、糖尿病腎症を防ぐには血糖を下げ
るだけでなく、同時に高血圧の治療を行なう必要があります。減塩の挿絵

血圧を下げるにはうす味にして食塩を減らすことが大切です。漬物や佃煮はもちろんですが、ラーメンやうどんの汁にも食塩がたくさん入っています。食塩を取りすぎると血圧の薬が効きにくくなるので、特に高血圧の薬を飲んでいる方は食塩を減らしましょう。
それでは、糖尿病腎症が起こっているかどうかを調べるにはどうすればいいのでしょうか。それは尿蛋白の検査です。定期的に検尿でアルブミンを測ると、腎症が起こり始めた早い時期に診断することができます。

しびれはないですか?

糖尿病神経障害も頻度が高い合併症です。足の感覚が鈍くなり、ジンジンするようなしびれを感じることがあります。足のしびれは腰椎症など他の原因でも起こりますが、糖尿病神経障害の場合は両足に起こることと、足先や足の裏から起こり始めるのが特徴です。糖尿病神経障害を予防するには血糖値を正常に保っておくことが最も大切です。

足の手入れ

神経障害がある人は自覚症状が乏しくなり、病変が悪化していることに気付くのが遅れて重症感染症・皮
膚の潰瘍・壊疽になり足の切断に至ることがあります。そのため、神経障害により足の感覚が鈍くなっている
方は、ケガやヤケドをしないように注意してください。爪を切るときは深爪しないようにしましょう。足に傷
ができていたり、タコやウオノメがある人は自分で触ったり削ったりせず早めに病院か診療所でみてもらってください。

運動をする時の注意

運動は血流や筋肉量を維持するのには大事で、筋肉が衰え要介護状態にならないためにも、血糖コント
ロールを安定させるためにも役立ちますが、特に神経障害のある方は、運動前には傷やむくみの観察をし、
靴下を着用して自分に合った靴をはき、血圧や血糖などの体調管理をしながら安全に行なうようにしてく
ださい。

ご案内

筑後市立病院には糖尿病専門医だけでなく、糖尿病療養指導士の資格を持った職員集合の挿絵

看護師や管理栄養士、薬剤師、理学療法士等がいて、患者さんの指導に当たって

います。合併症を予防するための知識とコツを学ぶために、ぜひ糖尿病教室を

ご利用ください。


                  

診療科のご案内

内分泌・代謝内科


この記事は2019年11月現在のものです。

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