肺がん検診のすすめ

呼吸器内科

肺がんとは

肺がんとは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。進行すると、がん細胞が周りの組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れに乗って広がっていきます。転移しやすい場所は、リンパ節、脳、肝臓、副腎、骨です。

がん患者の動向

国民の死因の第1位はがんであり、中でも肺がん死亡が最多です。将来的にも増加傾向で、2012年の統計では、全がん死亡360,963人のうち、肺がん死亡は71,518人(男51,372人、女20,146人)でした。肺がんの発生は50歳以上で急激に増加します。年齢別死亡数で最も多いのは70歳代です。日本人が生涯のうちに肺がんになる割合は男性で7.4%、女性で3.1%と報告されています。
表1 主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移
主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移

出典 平成27年人口動態統計月報年計(概数)(厚生労働省)

表2 がんの主な部位別死亡率(人口10万対)の年次推移

男性

女性

出典 平成27年人口動態統計月報年計(概数)(厚生労働省)

原因について

肺がんは、肺の細胞の中にある遺伝子に傷がつく(変異する)ことで生じます。傷をつける原因には様々なものがありますが、代表的なものは喫煙と受動喫煙です。その他にはアルミニウムやヒ素、アスベストなどが原因になることが知られています。
肺がんと喫煙との関連は非常に大きく、研究によると、たばこを吸わない人に比べて、吸う人が肺がんになるリスクは男性で4.4倍、女性で2.8倍と高くなります。また、たばこを吸わない人でも、周囲に流れるたばこの煙を吸うこと(受動喫煙)により発症する危険性が高まることもわかっています。

肺がんの症状

肺がんは早期ではほぼ無症状です。症状の進行とともに、咳、痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛などの呼吸器症状が現れます。しかし、これらは必ずしも肺がんに特有のものではないため、他の呼吸器疾患と区別がつかないこともあります。複数の症状がみられたり、長引いたりして気になった場合は早めに医療機関を受診することが大切です。

検査の流れ

診断および治療を始めるまでにどのような検査が行なわれるかについて説明します。
胸部X線写真で肺がんが疑われた場合はCT検査を行ない、肺がんの有無や形、広がりを検査します。次により詳しく調べるために、気管支鏡検査、胸腔鏡検査、経皮肺生検で細胞を採取し、病理学的検査で確定診断を行ないます。肺がんと診断されたときは、MRI検査、骨シンチグラフィー、PET検査を行ない、転移があるかどうかを調べて、治療方針を決めます。

肺がんの種類

肺がんの治療は、組織型によっても異なります。腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんは手術を優先され、小細胞がんでは放射線治療と化学療法が優先されます。効果的な治療法を選択するためにも、がんの組織型を確かめることはとても重要になります。


予防

日本人を対象とした研究結果ではがん予防には禁煙、節度ある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的と言われています。

検診の必要性について

がん検診の目的は、がんを早期に発見し、適切な治療を行なうことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
肺がんの検診方法として「効果がある」とされているのは「問診」「胸部X線検査」「喀痰細胞診」です。喀痰細胞診については、50歳以上で、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の方(現在喫煙されている方だけではなく、過去に喫煙していた方も含む)を対象に検査します。検診の間隔は年1回ですので、気になる症状のある場合には、検診を待たずに医療機関を早期に受診しましょう。


この記事は2017年10月現在のものです。

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