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糖尿病と肥満~体重、体組成測定は大事~

内分泌代謝内科

インスリンと肥満インスリンと肥満

糖尿病で血糖値が高くなるのはインスリンの作用が不足するためだということはご存じのことと思います。インスリンはすい臓で作られ、肝臓、筋肉、体脂肪などに作用して血糖を下げる効果をもつホルモンです。インスリン作用が不足する原因は2つあります。すい臓の働きが弱まって十分な量のインスリンを作れなくなった場合と、肝臓、筋肉、体脂肪などがインスリンに反応しにくくなった場合です。体がインスリンに反応しにくくなることをインスリン抵抗性と呼びます。インスリン抵抗性にはストレスや生活環境など多くの原因がありますが、特に重要なのは肥満です。

インスリンの仕組み


肥満の程度は体格指数(BMI)で表します。

BMI計算式肥満のイラスト
 
65歳未満ではBMI22前後、65歳以上は22〜25が良いと言われており、BMIが25以上あるとき肥満と判定します。肥満は体脂肪が過剰に蓄積した状態で、インスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病を悪化させるだけでなく、脂質異常症や高血圧、腰やひざの関節障害などを引き起こし、健康寿命を短縮する原因になります。
 BMIが25以下だったとしても安心はできません。体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、病気をおこしやすいのは内臓脂肪の増加です。メタボリックシンドロームの原因も内臓脂肪の蓄積と考えられています。日本人をはじめとする東アジア人は、欧米白人に比べて内臓脂肪が溜まりやすい体質の人が多いため、BMI23程度の軽度の体重増加でも糖尿病を発症しやすくなります。

体組成測定の必要性

 BMIが高いというだけでは、体脂肪が増えているのか筋肉質なのか、あるいは浮腫(むくみ)による体重増加なのかは分かりません。そのためにはインピーダンスを測定して体脂肪量と筋肉量を評価する体組成測
定が非常に有用で、体脂肪や筋肉について、全体量だけでなく体幹部(胴体)と上肢、下肢に分けて測定し、バランスを知ることもできます。体重測定のイラスト
 体脂肪を減らすためには食事療法によって各栄養素やエネルギー量を適切にとることが重要です。また、運動療法としてはウォーキングなどの有酸素運動を週4日以上行うとエネルギー消費量が増し、体脂肪が減少します。また、糖尿病は、体脂肪の増加とともに筋肉量の減少も関係していますが、運動をして筋肉量を増やすことでインスリン抵抗性を改善していきます。そのため、有酸素運動にスクワットや腹筋などの筋トレを組み合わせて行うのが効果的です。筋トレは週に2回程度でも効果が期待できます。


運動療法、食事療法のイラスト

 このように、体重測定は健康の大事なバロメーターです。体重・体組成測定は糖尿病の病状や治療効果の判定に重要であるだけでなく、それ以外の病気を見逃さないためにも効果的です。年々体重が増えている方や、急に体重が減っている方は注意が必要です。日頃から体重計に乗り、健康に関心をもって過ごしてみられませんか?

  

                              この記事は2025年2月現在のものです。

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