心臓血管外科
診療内容の概要
当科は、主に動脈・静脈・リンパ管などに関する疾患についての診察・治療を行っております。最も多い手術は下肢静脈瘤に対するレーザー治療やグルー治療などで、これに続き下肢の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)に対するカテーテル治療、上肢・下肢のリンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合手術、腹部大動脈瘤に対する腹部大動脈の人工血管置換術なども行っております。
診療の特徴
当科での診療の特徴は一般的に血管外科で診断可能な疾患に加え、当院で開発した非観血的静脈圧測定器による痛みを伴わない短時間での下肢静脈の正確な機能評価が可能であること、ICGリンパ管造影検査によるリンパ浮腫の診断が可能なことです。一般的な総合病院で可能な検査にこの2つの装置による診断を加えることで、足のむくみ(下肢浮腫)の原因の診断確定率が一般的な総合病院より極めて高率に可能となっており、それぞれの病態に応じた正確な治療が可能となっています。
この診断法はこれまでの下肢浮腫の診断に革命をもたらす方法であり、この内容を2022年の日本脈管学会総会で発表したところ、学会最優秀賞を受賞いたしました。足がむくむ、足の色がおかしい、歩くとだるい、足の血管が浮き出ている等の症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
専門外来のご案内 ― 下肢静脈瘤
外来診療日および担当医は外来担当医表をご覧ください。
友枝 博(ともえだ ひろし)
役職 |
統括診療部長 心臓血管外科 科長 |
専門分野 | 心臓血管外科、心エコー検査、カテーテル検査・治療、 ペースメーカー植込、下肢静脈・リンパ管機能検査・治療 |
抱負、診療にあたって
心臓血管外科、一般外科の治療を担当させていただきます。血管外科につきましては大動脈(腹部以下)、末梢血管、静脈疾患等の治療を積極的に行い、末梢血管の経皮的血管形成術(カテーテル治療)や静脈瘤のレーザー治療、グルー治療等も積極的に行っています。 世界に先駆けて非観血的に皮下の動静脈圧を測定できる装置を作りました。これにより無痛かつきわめて短時間で下肢静脈のポンプ機能を簡単に測ることができ、下肢浮腫か静脈機能低下によるものかどうかきわめて簡単に鑑別できます。2017年夏よりリンパ管の検査ができる装置を導入しています。これにより簡便にリンパ浮腫の検査ができます。静脈機能検査とリンパ管検査で下肢浮腫の原因のほとんどが鑑別できるようになっています。リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合手術も可能です。
よろしくお願いいたします。
資格
- 医学博士
- 日本外科学会認定外科専門医
- 日本循環器学会認定循環器専門医
- 心臓血管外科認定登録医
- 日本血管外科学会認定血管内治療医
- 日本脈管学会認定脈管専門医
- 下肢静脈瘤血管内治療実施管理委員会認定下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医
- 浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会認定浅大腿動脈ステントグラフト実施医
- 臨床研修指導医
- 日本DMAT隊員
- 条件付きMRI対応デバイス(CIEDs)植え込み患者に対するMRI検査のための所定の研修修了
主な経歴
- 久留米大学医学部卒業(平成7年卒)
- 久留米大学大学院修了
- 久留米大学外科学医局