心臓血管外科 友枝博 Japanese College of Angiology Award 最優秀賞受賞
心臓血管外科 友枝博 Japanese College of Angiology Award 最優秀賞受賞
この度、令和4年10月27日より29日まで横浜で開催された第63回日本脈管学会総会において、「非観血的静脈圧測定器により慢性静脈不全の臨床重症度を正確に評価できるか?」という演題で口演発表させていただき、Japanese College of Angiology Award 最優秀賞を受賞いたしましたのでご報告させていただきます。
本研究で使用いたしました非観血的静脈圧測定器につきましては、当院で2015年に開発し、2020年に論文(Ann Vasc Dis Vol. 13, No. 4; 2020; pp 397–403)として発表させていただいた機器です(写真1)。
(写真1)
今回の発表は、この装置を用いれば、現在の高齢化社会で増加している下肢浮腫が、下肢静脈のポンプ機能の異常に起因するのか、そうでないのかを極めて容易に検出でき、さらに現在決して高くない下肢浮腫の確定診断率が画期的に上昇するという内容です。
本装置は看護師、放射線技師、臨床工学技士などを初めとする様々な医療従事者の協力によりどのような場面でどのように使用できるか、またその精度はどの程度かなどを確認した上で、現在当院でのみ臨床に利用できる状態となっております。
本装置の製作、研究にご協力いただきました関係の方々には心より感謝いたしております。
今回の受賞は、本装置が今後、極めて大きく世の中に貢献できる可能性のある機器であることを学会に認めて頂けたことによるのではないかと考えております。
現在のところ、本装置はまだ臨床研究として取り扱われるレベルですが、近いうちに複数台の製作を行い、前向き多施設共同研究を行い、医療機器として当院より世界に向けて発信できるように努力を重ねていきたいと存じますので、今後ともご指導・ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
2022年10月31日
筑後市立病院 心臓血管外科 友枝博